先進地視察 農村RMO 6次産業化

伯州綿の復活に学ぶ
―鳥取県境港市農業公社を視察しました

2025年10月20日(月)13:00〜15:00
境港市農業公社(鳥取県境港市)
4名参加

視察の目的

地域の伝統資源の現代的活用手法と6次産業化・ブランディング戦略を学ぶため、鳥取県境港市農業公社を視察した。参加者は田上吉美・大野隆男・日髙新次・塚田芳夫の4名。令和7年10月20日(月)13:00〜15:00、境港市農業公社(鳥取県境港市上道町3000番地)にて実施。受入れ側は境港市産業部農政課 武良収課長・木村哲係長および農業公社職員。


視察概要

視察先境港市農業公社(鳥取県境港市上道町3000番地)
日時令和7年10月20日(月)13:00〜15:00
参加者田上吉美・大野隆男・日髙新次・塚田芳夫(計4名)
受入側境港市産業部農政課 武良収課長・木村哲係長、農業公社職員

伯州綿とは

伯州綿(はくしゅうめん)は、鳥取県西部の弓浜半島一帯で江戸時代前期(約300年前)から栽培が続く伝統的な和綿。最盛期の昭和38年には生産量約900トンを誇る日本一の産地となったが、明治29年の関税撤廃により衰退。その後も「弓浜絣」の原料として細々と守られてきた。

境港市では平成20年度から農業公社が遊休農地を活用し、「伯州綿栽培サポーター」や地域おこし協力隊とともに無農薬・無化学肥料の栽培を再興している。

伯州綿の歩み
  • 江戸時代前期(約300年前):弓浜半島での栽培開始
  • 昭和38年:生産量約900トン・日本一の産地
  • 明治29年以降:関税撤廃により衰退
  • 平成20年度:農業公社による栽培再興
  • 現在:約2.0haで無農薬・無化学肥料栽培を継続

視察で学んだこと

現在、約2.0haの畑で栽培。うち約0.8haは市民参加の「栽培サポーター制度」で支えられている。収穫した綿は農業公社が一元的に買い取り、新生児への「おくるみ」・100歳を迎える方への「ひざかけ」として贈呈する仕組みが確立されている。

おくるみを受け取った親子が次の子どものために種まき・収穫に参加するという世代を超えた循環システムが印象的だった。また、綿の木(従来は焼却処理)をアップサイクルしたタンブラーなど廃棄物活用の商品開発も進んでいる。

栽培サポーター制度
  • 全体2.0haのうち0.8haを市民が担当
  • おくるみを受け取った親子が次世代のために参加
  • 世代を超えた循環システムを形成
贈呈・アップサイクル
  • 新生児へ:伯州綿のおくるみ
  • 100歳の方へ:伯州綿のひざかけ
  • 綿の木→タンブラー(廃棄物活用)

視察の様子

伯州綿の栽培圃場
伯州綿の栽培圃場(鳥取県境港市)
研修の様子①
研修の様子②

下塚田への示唆

今回の視察で得た知見を下塚田の活動に応用できる3点を整理した。

  1. 耕作放棄地の段階的活用:小規模から始めて段階的に拡大するアプローチを取り入れる
  2. 地域住民参加システムの導入:サポーター制度のような市民参加の仕組みを構築する
  3. 地域資源の再発見:地域に眠る伝統・文化資源を現代的な価値に転換する

特に「小規模から始めて段階的に拡大する」手法と、多様な主体(行政・農業公社・市民・移住者)の連携による持続可能な運営体制は、今後の活動に直接活かせる知見である。

「伝統を守りながら新しい価値を生み出す」伯州綿の取り組みは、日南レモンや地域特産品のブランド化を目指す下塚田にとって、多くのヒントを与えてくれました。