農村RMO事業 実証試験結果

マイヤーレモン
貯蔵試験の結果報告

2025年3月31日
6条件 / 199件の評価データ
南那珂農業改良普及センター 支援

 2025年2月から5月にかけて、日南マイヤーレモンの最適な貯蔵方法を検証する実証試験を実施しました。南那珂農林振興局(農業改良普及センター)平田力也主幹の支援のもと、6条件・199件の消費者評価データをもとに分析した結果をご報告します。


試験概要

試験期間 2025年2月〜5月(4ヶ月間)
貯蔵場所 作本慎悟会長倉庫設置の冷蔵庫
評価項目 見た目(外観・色味・傷み)、酸味
評価尺度 4段階評価(1=悪い/弱い 4=とても良い/とても強い)
総回答数 199件(男性57%・女性40%、10〜70代)
支援 南那珂農林振興局 農業改良普及センター 平田力也主幹

6つの貯蔵条件

 以下の6条件を2025年1月31日から並行して検証しました。

サンプル 保存環境 包装方法
サンプル1 常温 無包装
サンプル2 常温 Pプラス包装
サンプル3 常温 ビニール包装
サンプル4 保冷蔵 Pプラス包装
サンプル5 保冷蔵 Pプラス+殺菌包装 ★最優秀
サンプル6 保冷蔵 ビニール殺菌包装

評価会の様子

6種のマイヤーレモンサンプル比較写真
6条件のサンプルをラベル付きで比較
試食サンプルの準備の様子
試食評価の準備(輪切りに)
評価会の様子①
評価会の様子①(2025年4月20日)
評価会の様子②
評価会の様子②(参加者が笑顔で評価)

結果:最優秀は「保冷蔵+Pプラス殺菌包装」

 4ヶ月間の評価を通じて、サンプル5(保冷蔵・Pプラス殺菌包装)が見た目・酸味ともに最も安定した高評価を維持しました。特に見た目スコアは時間とともに向上(2.98→3.19)という珍しい現象が確認されました。消費者の「お気に入り」投票でも44票・24.2%で圧倒的1位でした。

 一方、サンプル1(常温・無包装)は3ヶ月目以降から品質劣化が顕著となり、5月には見た目・酸味ともに最低レベルへ急落しました。

各サンプルの月別スコア推移

サンプル 2月
見た目/酸味
3月
見た目/酸味
4月
見た目/酸味
5月
見た目/酸味
サンプル1(常温・無包装) 2.31 / 2.28 2.53 / 2.38 2.52 / 2.17 1.75 / 1.75 ⚠
サンプル2(常温・P+) 2.93 / 2.35 2.82 / 2.42 3.06 / 2.69 3.06 / 2.42
サンプル3(常温・ビニール) 2.81 / 2.57 2.80 / 2.18 2.75 / 2.47 3.08 / 2.61
サンプル4(保冷・P+) 3.02 / 2.94 2.80 / 2.60 2.94 / 2.16 3.14 / 2.81
サンプル5(保冷・P+殺菌) 2.98 / 2.81 3.13 / 2.76 3.00 / 2.52 3.19 / 2.69 🏆
サンプル6(保冷・ビニール殺菌) 3.04 / 2.44 2.76 / 2.56 3.03 / 2.63 2.25 / 2.28 ⚠

「お気に入り」投票ランキング(全期間・199件)

1

サンプル5:保冷蔵・Pプラス殺菌包装

44票(24.2%)圧倒的1位

2

サンプル2:常温・Pプラス包装

33票(18.1%)

3

サンプル3:常温・ビニール包装

30票(16.5%)

4

サンプル4:保冷蔵・Pプラス包装 28票(15.4%)

5

サンプル6:保冷蔵・ビニール殺菌包装 25票(13.7%)

6

サンプル1:常温・無包装 22票(12.1%)


購買意向の変化

 購買意向は2〜3月が最も高く(最高68.9%)、5月には25.0%へ急落しました。長期保存による品質劣化が消費者の購買意識に直接影響することが判明しました。

購買意向 回答数
2月 59.3% 54件
3月(最高値) 68.9% 45件
4月 59.4% 64件
5月 25.0%(大幅低下) 36件

商品化への提言

推奨貯蔵方法:保冷蔵+Pプラス殺菌包装

4ヶ月間安定した高品質を維持。消費者評価でも全期間を通じて最高評価。見た目スコアは時間と共に向上という珍しい現象が確認されました。

最適販売期間:貯蔵後2〜3ヶ月以内

3月時点で購買意向が最高(68.9%)。4月以降は品質劣化による購買意向低下が始まり、5月には商品価値が大幅に低下します。

避けるべき方法:常温・無包装

5月に品質が急激に劣化。お気に入り評価も最低ランク。長期貯蔵には適さず、3ヶ月以内の消費を推奨します。

結論

「サンプル5の貯蔵方法を採用し、2〜3ヶ月以内の販売サイクルを確立することで、高い消費者満足度と購買意向を維持できる日南レモンの商品化が可能である。」

── 令和6年度実証試験結果分析レポート より


今後の課題

  1. サンプル5の貯蔵方法の技術詳細の標準化
  2. 2〜3ヶ月での出荷体制の構築
  3. コスト効果の検証
  4. 大量生産時の品質安定性確認

写真提供:南那珂農業改良普及センター 平田力也様(2025年3月31日)