令和7年度農村RMO形成支援事業
菊鹿さきもり隊(熊本県山鹿市)・宮地岳みらい里山協議会(熊本県天草市)
農村RMO推進フォーラム研修に参加。全国の先進事例や政策動向を学ぶ。
外部人材と行政・商工会の連携による地域活性化・棚田景観維持手法を視察。
廃校跡地を拠点にした地域資源の活用・6次産業化・特産品の販路拡大を視察。
先進地における農村RMO組織の設立経緯、人材配置、運営体制、および地域関係者との連携手法等の実践的ノウハウ
地域特性に応じたサービス内容、収益構造、持続可能な事業モデル、および成功事例・課題事例の具体的な分析と情報収集
農村RMOに必要なスキル習得のための研修プログラム、人材育成手法、専門知識向上のための継続的な教育体系の調査及び実践ノウハウ
九州農政局主催の農村RMO推進フォーラムに参加。九州・沖縄各地の農村RMO形成支援事業の取組事例が紹介され、先進的なモデル事例や政策動向について学びました。翌日の先進地視察に向けた事前研修の位置付けでもあり、全国の農村RMO活動の現状と課題を共有する場となりました。
菊鹿さきもり隊は、大分県境に近い中山間地域において、地域の担い手不足を解消すべく、「地区外の人」が主体となって立ち上げられた組織です。
地域住民が所有する農機具等を「リース」として借り受け、地区外のボランティアや協力者に提供しています。これにより、外部の人が身一つで整備に参加できる環境を整えています。
「棚田まつり」「ヒガンバナまつり」「神社まつり」など、計画段階から地区内外の人を巻き込み、知名度向上と活力創出を図っています。
産業がないからこそ、棚田や巨木、神社といった既存の風景を大切にし、外部の目線で魅力を再定義している。
農機具のリース制や、弁当・懇親会といった「おもてなし(交流)」を重視することで、リピーターや協力者を着実に増やしている。
行政職員と民間法人が連携することで、柔軟な対応と公的な信頼性を両立させている。
景観維持における最大の問題は雑草対策であり、これはマンパワー(ボランティア)の組織化なくしては解決できないという現実。
作業ボランティアを募る際、道具の持参は大きなハードルとなります。地域の遊休農機具を整理し、ボランティアが安全に使用できる仕組みを整えてはどうでしょうか。
イベントの運営だけでなく、企画の段階から地区外の人(下塚田に思い入れのある方など)に参加してもらうことで、当事者意識を高める工夫が必要です。
単なる作業提供で終わらせず、「弁当や懇親会」を充実させ、下塚田の人々と外部の人が繋がる「楽しみ」を活動に組み込むべきです。
菊鹿さきもり隊の活動は、「地域を残したい」という強い思いを持った「地区外の人」が、行政と連携して地域に新しい風を吹き込んでいる好例でした。下塚田においても、現在の住民だけで全てを背負うのではなく、外部の力を借りるための「道具(リース)」と「交流(懇親)」の場を整えることが、持続可能な地域づくりの第一歩になると確信しました。
宮地岳町は高齢化率50%を超える課題を抱えつつも、令和6年度に設立された「宮地岳みらい里山協議会」を中心に、営農組合と連携した多角的な活動を展開しています。
放置竹林(竹)や高齢者の「何とかしたい」という声から、メンマ加工や特産品づくりへと繋げる逆転の発想。
「道の駅」という集客施設と強力にタッグを組み、イベントのコラボや専用ブースの営業を徹底している点。
加工品(油、味噌、メンマ)で年間売上を安定させつつ、生鮮品で季節感を出し、消費者を飽きさせない工夫。
素晴らしい活動の一方で、イノシシ被害は深刻であり、営農継続における最大の障壁となっている現実。
日南レモン生産組合を核とし、隊員や地域住民が生産した野菜・果物・加工品を、地域の直売所や地産地消販売所へ「セット」で売り込む営業活動。宮地岳のように「常に置いていただける場所」の確保を目指します。
下塚田において「現在は邪魔もの扱いされているが、加工すれば価値が出るもの」を再発掘し、小規模な加工販売(6次化)を検討する。
担い手不足を補うため、宮地岳のようにドローン活用などの新しい試みを視野に入れ、作業の効率化と若者へのアピールを図る。
宮地岳町の事例は、廃校という「過去の遺産」を「現在の拠点」に変え、地域の負債(竹や遊休地)を資産に変える力強い取り組みでした。下塚田においても、レモンをはじめとする既存の強みを活かしつつ、地域内外の施設と連携を深めることで、生産から販売までの一貫したサイクルを構築できる可能性を強く感じた研修となりました。
今回の3日間の研修・視察を通じて、先進地に共通する「持続可能な地域づくりのエッセンス」を学ぶことができました。
菊鹿さきもり隊・宮地岳みらい里山協議会のいずれも、現状の「課題」をそのままにせず、アイデアと連携によって「資源」や「強み」へと転換していました。下塚田においても、これらの知見を活かした取り組みを推進してまいります。
ないものを嘆くのではなく、あるものの価値を再定義することが出発点。
地域内だけで完結せず、外部人材・行政・拠点施設との連携が持続につながる。
作業だけでなく「交流・懇親・祭り」を仕組みに組み込み、関わる人を増やす。