選者について
選は、地域に根ざした複数の選者が持ち回りで担当します。本事業は技巧の巧拙を競うのではなく、暮らしの手触りを大切にする趣旨のため、選者の氏名は公表せず、選の言葉のみをお届けします。
ながれ汗 どこにいったか めもりなし ★最優秀
み
体重計に乗る動作が省かれているのに、汗の量と落胆がすべて見えてくる。「めもりなし」の突き放し方に俳味があり、日常の一場面が誰の記憶にも残る形になっている。ひらがな主体の表記も、この句の軽やかな諦めによく合っている。
農道や イタチ アナグマ おはようさん あぜ道賞
あかしや
固有名詞を並べただけで農村の朝が立ち上がる。獣に挨拶を返すという発想が可笑しく、同時にこの地区の暮らしの距離感を正確に記録している。
わわわわわ ねこはうんこを とめられず くすっと賞
わわわ(78才)
上五を擬音だけで押し切る度胸がある。「わわわわわ」の五音が慌てる声そのものであり、下五の「とめられず」に至る諦観までが一続きになっている。同じ場面を三度も詠んでおり、その日の出来事の大きさが可笑しみとともに伝わってくる。
投句者ごとに、通し番号順で掲載しています。
梅雨に晴 草花の輝き 新呼吸
順
友便り ウキウキリズム 若がえり
順
園児達 どろんこ田植え 豊か待ち
順
我家の田 はちみつできる 令和なり
順
木草花 今日の一番 エネルギー
順
ささゆりの ささやかピンク 庭なごむ
順
墓参り かまに草かき 必需品
順
かその村 七夕近し 火へ結ぶ
順
ホームの風 母の窓には 入りこむ
順
激戦の サッカー人 外世界
順
一人居に ふりつづく雨 冷し汁
やまうつぎ
天の川 稲田一面 月てらす
やまうつぎ
ふわりふわ 合歓の花の夢 昼の夢
やまうつぎ
梅雨最中(さなか) まん月うれし かその村
やまうつぎ
ひ孫抱き うれしさつのる 涙して
あかしや
大空を とび交う鷹よ 急降下
あかしや
老夫婦 ほほえみ交し 夜食する
あかしや
農道や イタチ アナグマ おはようさん あぜ道賞
あかしや
診察まち うとうと気分で ハッとする
あかしや
夢に見て 母のぬくもり 鳥の声
あかしや
アジサイに 一休みする カタツムリ
あかしや
友達を 紹介するよと 孫スマホ
あかしや
ハマボウの 花見てうかぶ 友の顔
み
ながれ汗 どこにいったか めもりなし ★最優秀
み
め花あり まごのえがおと スイカわり
み
もの忘れ だんだんひどく なるばかり
わわわ(78才)
やわらかい ごきぶりだんご まるめる手
わわわ(78才)
ソファーに かわいいネコが うんこした
わわわ(78才)
よだきい木 ねっこがはえてる いつの間に
わわわ(78才)
わかってる このひとくちが ダメのもと
わわわ(78才)
ふき矢にて うさばらしかな まとはずれ
わわわ(78才)
かあちゃんが 言ってたおしえ 今ひびく
わわわ(78才)
ほたるがり あかりけしても あかりなし
わわわ(78才)
今になり 母のおしえが 生きてくる
わわわ(78才)
わわわわわ ねこはうんこを とめられず くすっと賞
わわわ(78才)
パーマかけ 頭の重さ 軽くなる
わわわ(78才)
わわわわわ ねこがソファに うんこした
わわわ(78才)