下塚田ふるさと応援隊の歩み
2013年 有志隊結成 → 2020年 正式組織化 → 2024年 農村RMO事業
下塚田ふるさと応援隊の歴史は、2013年に遡ります。田上吉美現副会長の呼び掛けにより、7名の有志が集結し、「有志隊」として地域貢献活動をスタートさせました。この初期段階では、正式な規約や予算制度を設けることなく、メンバー自身の機材や車両を持ち寄りながら、柔軟で草の根的な活動展開を行ってきました。
活動を通じた意思確認の場として、毎年の「観桜会」と「年忘れ会」が全員参加の重要な機会となっていました。
「有志隊」は、地域内の生活全般に関わる支援作業のほか、景観保全や農地保全など、多様な地域課題の解決に取り組んできました。なかでも、メンバーの過失に起因した住宅火災の災禍復旧は、当隊の初期における象徴的な活動となっています。
象徴的な活動:住宅火災の災禍復旧
通常の木造家屋火災の2倍強の時間を要した大火による全焼家屋の後片付けでは、5名のメンバーが鎮火直後から作業に従事し、重機やダンプを動員しながら丸3日間をかけて復旧を完遂しました。この活動を通じ、「有志隊」の結束力と地域への貢献姿勢が一層強化されることとなりました。
「有志隊」の結成から6年が経過した2019年、メンバー間で地域貢献をより体系的・継続的に進めるための「組織化」の機運が高まりました。この機運を受け、2020年4月に「下塚田ふるさと応援隊」として正式に組織化され、初代メンバー13名による新たな出発となりました。
組織化に伴い、安定的かつ継続的な活動を実現するため、独自の組織経費を捻出する新たな活動に着手しました。現在も継続している主要事業の三本柱は、「宮崎県河川パートナーシップ事業」(河川堤防の草刈り:年2回)、「宮崎県クリーンロードみやざき事業」(県道の路側帯及び法面の草刈り作業:年2回)、「日南市市道愛護要綱に基づく市道の草刈り作業」(年2回)です。これら事業を通じ、地域環境の保全と組織の持続的運営基盤を同時に確立してきました。
下塚田ふるさと応援隊メンバー(2020年8月6日)
日本の農業は高齢化と担い手不足、耕作放棄地の増加、生活インフラの希薄化、気候変動への対応など、多面的で深刻な課題を抱えています。業務の属人化や非効率な管理体制も相まって、生産性と持続性の確保が急務となっています。
下塚田地区の現状
下塚田地区も同様の課題に直面しています。現在、地区の世帯数は45世帯前後ですが、労力を伴う活動に参画できる世帯は35世帯前後にとどまっています。予測データでは、この数字が2030年度には15世帯まで減少することが見込まれており、地域の存続そのものが危機的状況にあります。
「他地域のモデルになりうる様な小さな成功事例を作り出す事」が合言葉です
こうした悲観的な予測に果敢に立ち向かうため、2024年から「農村RMOモデル形成支援事業」に取り組むこととしました。あらゆる方面から関心を持って頂き、関係人口の増加に繋げ、事業終了後の実走を視野に、「農用地保全」、「地域資源活用」、「生活支援」の三分野について、試行錯誤や実験事業、視察研修等を重ねながら、課題解決に向けた具体的な方策を構築しています。
下塚田ふるさと応援隊は、地域の未来を守るため、引き続き創意工夫と実行力をもって歩み続けます。
今後更なる各方面からのご支援をお願いいたします。