急傾斜法面の草地・農村イメージ

実証試験報告書 ― 第2回

スパイダークロスライナーによる急傾斜法面実証試験

法面勾配35〜40度・梅雨の高含水条件下でウインチ装着デモを実施

協力:株式会社レンタルコトス(和歌山県橋本市)

2026年6月20日(土)09:00〜11:00 実施済み

報告書公開

Background

実施の背景

地域農業において、急傾斜法面の草刈り作業は依然として大きな負担となっている。特に高齢化が進む中、安全性の確保と作業負担の軽減は喫緊の課題である。

第1回試験では、急傾斜地におけるラジコン草刈機の基本性能を確認した。第2回では株式会社レンタルコトスに多数のメーカーの草刈機を搬入いただき、現地の状況を専門家に判断していただいた上で、「スパイダークロスライナー」一択でのデモを実施した。

試験場所・条件

場所

急傾斜法面(法面の長い方)

平均勾配:35〜40度

草丈・植生

0.7〜1.5m

チガヤ・セイタカアワダチソウ(繁茂)

天候・時期

梅雨時期

降雨量多く、法面が水分を多く含む状態

特別装備

ウインチ装着

念のための安全対策として採用

第1回

第1回試験(親子式傾斜地草刈機)との連続性

第1回では1機種(ハスクバーナ・ゼノア製親子式草刈機)の基本性能を確認。第2回では4機種の比較検証に発展し、より実践的な機種選定を目的とした。

第1回報告書を見る

Location

実証場所

場所

市道萩之嶺下塚田線

西側法面

法面長さ

約 8 メートル

通常の作業体制

3名が法面に並んで作業

急傾斜での人力作業は身体的負担・転倒リスクが大きく、担い手不足の中で省力化が求められている場所です。

Photo

現地の様子

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Equipment

使用機種

試験機の調整・搬入協力

株式会社レンタルコトス

和歌山県橋本市 / 九州農業WEEKで情報収集した主要機種の取り扱い業者

機種選定について

株式会社レンタルコトスより多数のメーカーの草刈機を搬入いただきましたが、現地の状況(急傾斜・高含水・繁茂する植生)を専門家に判断していただいた結果、「スパイダークロスライナー」一択でのデモとなりました。

スパイダークロスライナー

斜面専用設計 今回採用機種
  • 急傾斜法面に特化した専用設計
  • 四輪独立駆動で高い安定性
  • 横断走行(トラバース)に強み
  • ウインチとの組み合わせで急傾斜に対応
  • 高含水・湿潤条件下でも走行安定
  • 繁茂した植生(背丈1.5m超)も刈り取り可能

Photo

九州農業WEEK ― 株式会社レンタルコトス ブースにて

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【徹底比較】ラジコン草刈機スパイダーシリーズ3種の作業性能を比べてみた

Purpose

試験の目的

1

急傾斜での走破性評価

25〜35度の急傾斜法面において、各機種がどの程度安全・安定に走行できるかを評価する。

2

刈り取り能力の比較

草丈40〜70cmのチガヤ・セイタカアワダチソウ等に対する刈り取り能力・仕上がり品質を機種別に比較する。

3

操作性(応答性・視認性)の確認

コントローラーの応答性、遠隔操作時の視認性、初心者の扱いやすさを比較する。

4

地域導入に向けた機種選定

下塚田・細田地区の地形条件に最適な機種を絞り込み、実際の導入候補を選定する。

5

レンタル・共同利用の可能性検討

複数農家・地区での共同利用を想定したコスト構造・運用体制の検討材料を収集する。

Test Contents

試験内容

(1)走行性能

  • 直進走行
  • 横断走行(トラバース)
  • 障害物回避
  • 旋回性能

(2)刈り取り性能

  • 刈り残しの有無
  • 刈り幅の安定性
  • 排出状況(詰まり)
  • 作業時間計測

(3)操作性

  • コントローラー応答性
  • 遠隔操作時の視認性
  • 初心者の扱いやすさ

Results

試験結果

試験結果の概要

  • 多数のメーカー機種を搬入いただいたが、現地状況の判断により「スパイダークロスライナー」一択でのデモを実施した
  • チガヤ・セイタカアワダチソウ(背丈0.7〜1.5m)が繁茂した条件下で、思いの外、刈り取り能力があることを確認した
  • 梅雨の降雨量が多く法面も相当水分を含んだ条件であったが、四輪独立とウインチの機能で思いの他効率的な印象を受けた
  • 当地の平均的勾配35〜40度において、念のためウインチを装着した上で作業を実施した

刈り取り能力

背丈1.5mの繁茂植生でも対応。予想以上の刈り取り性能を確認

斜面走行性

35〜40度の急傾斜・高含水条件でも四輪独立で安定走行を実現

ウインチ効果

安全確保のため装着。急傾斜でのさらなる安定性向上に貢献

Photo

作業・説明の様子(2026年6月20日)

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Next Step

今後の予定

次回(第3回)の検証内容

1 地域住民による操作体験 ― 高齢者を含む地域住民が実際に操作し、習熟性を検証
2 実際の農道・水路法面での実演 ― 下塚田地区の実地形での動作確認
3 コスト比較 ― 購入・レンタル・共同利用の3パターンで費用対効果を試算
4 年間作業量との適合性評価 ― 地区全体の草刈り作業量に対して機械導入がどの程度有効かを評価

Summary

まとめ

第2回試験では、株式会社レンタルコトスに多数のメーカーの草刈機を搬入いただいた。現地の状況を判断していただいた結果、「スパイダークロスライナー」を一択でのデモとなった。

梅雨の降雨量が多く法面も相当水分を含んだ条件下でのデモであったが、四輪独立とウインチの機能によって、思いの外効率的な作業が実現できることを確認した。今後の機種選定・導入検討に向けた重要な判断材料を得ることができた。

今回の試験で確認できたこと

  • 現地判断によりスパイダークロスライナーが最適機種として選定され、一択でのデモが実施された
  • 急傾斜(35〜40度)においても、ウインチ装着により安全かつ安定した走行が確認された
  • チガヤ・セイタカアワダチソウ(背丈0.7〜1.5m)の繁茂地でも、思いの外高い刈り取り能力が確認された
  • 梅雨の高含水条件下でも、四輪独立駆動の性能が遺憾なく発揮された
  • 地区の地形・草種に対する有効性が実地で証明された

今後検討すること

  • スパイダークロスライナーを軸とした導入候補の絞り込み
  • 購入・レンタル・共同利用の費用試算
  • 地域住民への操作体験機会の設定

引き続き検討が必要な課題

  • 費用対効果の詳細な試算
  • 地区全体の年間作業量との適合性
  • メンテナンス・保管体制の整備