持続可能な農業の実現に向けて
日南地域を含む中山間地域では、高齢化と人口減少により、農業生産活動だけでなく農地・水路などの地域資源の保全機能が急速に弱体化しています。単独の集落では対応困難な課題に直面する中、下塚田ふるさと応援隊は複数集落の機能を補完する農村型地域運営組織として、農用地保全を重要な柱に位置付けています。
令和7年度を第2年次とする農村RMOモデル形成支援事業において、本組織は地元の集落協定組織や農業従事者と連携し、耕作放棄地の解消と農地の適切な維持管理に継続的に取り組んでいます。
多角的なアプローチによる農地保全の推進
既存の耕作放棄地を有効活用し、低労力で管理可能な粗放的利用を試験する取組
新品種の試験栽培や省力化技術の導入実証により、経営効率性を改善
新規就農者や若手農業者の定着を促進し、次世代への継承を支援
スライドモアなどの省力化機械の導入や、スマート農業技術の活用促進に関する研修を実施することで、高齢農業者の負担軽減と作業効率の向上に貢献しています。
これらの技術導入は、農地が適切に維持管理される条件を整える上で極めて重要です。
地域全体で支え合う農地保全
農用地保全は農業者のみの問題ではなく、地域全体で支え合うことが必要です。下塚田ふるさと応援隊は、農業団体、自治会、商工会、地域おこし協力隊など、多様な主体との連携体制を構築しています。
また、行政機関や伴走支援機関との協働により、調査・計画作成から実証事業に至るまで、段階的かつ系統的に取り組んでいます。
農業団体、自治会、商工会、地域おこし協力隊
県・市行政機関、伴走支援サポーター
農用地保全は単なる現状維持ではなく、保全された農地が生産活動を通じて地域経済に貢献する好循環を創出することが目標です。
地域資源活用と生活支援との相互連携により、トータルな地域コミュニティ機能の維持・強化が実現します。
今後、下塚田ふるさと応援隊は、これまでの実績を踏まえ、農用地保全体制の自走化と、地域内外との連携強化を継続して推進してまいります。