「感覚的な不安」を「数値的な根拠」へ。
持続可能な地域づくりのための現状分析
アンケートは、単なる「生活状況確認」ではなく、「地域存続のために解決すべき課題(移動・維持)」を具体的に切り分け、予算獲得(車両購入)の根拠(エビデンス)とするために戦略的に設計されたものです。
私たち下塚田ふるさと応援隊は、「人々が安心して、日々の豊かな暮らしが途切れることなく続く未来」をビジョンに掲げています。しかし、少子高齢化の波は確実に地域の「生活インフラ」を脅かしています。
今回実施したアンケートは、漠然とした「将来への不安」を、「いつ・誰が・何に困るのか」という客観的なデータとして可視化するために実施しました。
これは、行政への単なる要望活動ではなく、「自助・共助で解決できること」と「行政支援が必要な初期投資(公助)」を明確に区分けし、実効性のある解決策を立案するための必須プロセスです。
特に地域存続の生命線となる「移動」と「生活維持」に焦点を当てて設計しました。
年齢構成(②)
設計意図
回答者の年齢層を把握することで、将来の地域推計を行うためです。結果として70~80代が中心であることが判明しており、これは「10年後の課題」ではなく「今の危機」として対策を打つ必要があることを示唆しています。
暮らしづらい点(④)、買い物先(⑦)
設計意図
地区内だけで生活が完結できるのか、地区外への移動が必須なのかを証明するためです。
「買い物」「病院」が暮らしづらい点の上位に挙がり、買い物先として「吾田」「油津」など地区外への移動が常態化している実態を浮き彫りにしました。これにより、「足(移動手段)」の確保こそが、居住継続の絶対条件であることが立証されました。
安心して暮らすための要望(⑥)、移動スーパーの希望(⑨)
設計意図
住民のニーズを細分化し、解決策を最適化するためです。
「草刈り支援」→【組織・機械化で解決】
住民参加型の活動ですが、高齢化による負担増が顕著です。省力化機械の導入など、組織内部の工夫で持続可能性を模索します。
「移動スーパー」→【民間連携で解決】
日南市内で運行開始された移動スーパーの誘致により、「食料品購入」の課題は解決可能です。
「買い物や通院の移動支援」→【新たな仕組みと投資が必要】
移動スーパーでは解決できない「通院」や「突発的な用事」が残された最大の課題です。これには「人を運ぶ仕組み」が必要ですが、「車両」というハードルが高く、ここが行政支援(車両購入補助)を必要とする核心部分です。
自由記述(⑩)
設計意図
選択肢では拾いきれない、住民の心の奥にある不安を拾い上げるためです。
「今は運転できているが、免許返納後が怖い」という声は、将来的な「買い物難民・医療難民」の予備軍が多数存在することを示しており、先手を打った対策の必要性を裏付けています。
本アンケートの結果、「移動スーパー」や「草刈り省力化」は既存のリソースや民間活力で対応可能である一方、「通院・生活移動のための車両確保」だけが、地域単独では解決困難なボトルネックであることが明白となりました。
私たちは、この客観的データに基づき、住民の総意として「移動支援サービス」の構築を決意しました。
日南市におかれましては、本アンケートが示す「住民の切実なデータ」と「自助努力の姿勢」をご賢察いただき、システムの要となる「車両購入への財政的支援(地域課題解決支援事業の活用等)」について、合意形成とご協力を賜りますようお願い申し上げます。